おもちもちもち

娘、おもちとの手さぐり育児記

母として改めて考える防災

今年も3/11になりました。

7年。

あの日、当時持っていた携帯電話のワンセグで見た恐ろしい光景。見たことのない数に膨れ上がっていった死者・行方不明者数。被災地で見聞きした様々な体験や教訓。亡くなられた方々の無念。

いつまでも忘れずに、もし我が身にあんな災害が降りかかったときは、自分や大切な存在を守れるよう力を尽くすことを誓いながら、毎年この日を過ごしています。

今日は、黙祷の時間の前にと少し急いでスーパーに行き、20分ほど前に自宅へ帰りつきましたが、その間におもちがチャイルドシートでお昼寝に入ってしまいました。

あー今年は車の中で黙祷かな…?と苦笑しつつ、グースカいびきをかきながら眠る我が子の顔をしばらく眺めていたんですが、ふと気付きました。


もし、今、あの日のような大震災や大津波が襲ってきたら。
この子をどうやって守りきればいいんだろう。


7年前のあの日、私は成人したばかりの身軽な若者でした。

その日はちょうど通っていた学校の卒業式で、地震は本当に怖かったけれど、パニックになっている同級生たちを見て、いざという時は自分も皆も助かるために動かなければ!と生意気な使命感に燃えていました。

でも、防災についてなんの知識もない。
記憶にあるうちでは震度4以上の地震は経験がなく、津波などサーフィンの波の大きいバージョン?くらいにしかイメージがなく、恐怖心はあれど本質はわかっていなかった。

その為、友人と寄り集まって覗き込んだワンセグで、次々黒い波に飲み込まれる東北沿岸の映像を見て言葉を失いました。

少なくとも運転する人が乗っているに違いない、猛スピードで波から逃げる車が、無情にも波に飲まれ押し潰される光景が今も脳裏に焼き付いています。


その日は卒業式会場のホテルに缶詰になり、多少の不便はありましたが、周りには仲の良い友達が大勢いたし、さらにホテル側の温かいご厚意により、食事もトイレにも困ることなく過ごさせてもらえました。

そして何より、自分以上に守らなければならない存在はなかった。友達も勿論大切だけれど、それぞれ自分のことは自分でできるから。


それが今、一歳にもならない幼い我が子がいて、万が一の時、そばに旦那がいなければ私が守り抜かなければならない。それも災害発生の瞬間だけではなく、そこから落ち着くまでの数日間を。

そう考えたとき、自分の備えの無さに気付いて怖くなりました。

自分やいちさんだけならきっと割とどうにでもなるけれど、おもちのような赤ちゃんのための必要物資はきっとそんなに用意されていない。


実際、東日本の時も、そして九州の時も、赤ちゃん用の物資は十分に無く、多くの子連れ家庭は大変な思いをしたそうです。

これまで自分がその立場にいなかったから聞き流してしまって、そのまま9ヶ月になった今日まで何も考えずに来てしまいました。


今日、Twitterを流し読みしていたところ、東日本大震災の当時一歳だったお子さんを持つイラストレーターの方が、実体験を元に分かりやすく防災法を紹介してくれる本があることを知ったので、こちらを購入しようと思っています。

被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40

被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40

読んだ感想等はまた後日、改めて追記させていただきます。



ちなみに、FBで繋がっている方は何度か私が投稿で書いているので耳タコかもしれませんが、有事の際これだけは気を付けて欲しい事を二点だけ。


・海や川からの、自宅や学校or職場の距離をおおよそでも知っておく



これは陸前高田市で、被災者の方に聞いた話。

海からほど近い距離の地域でも、建物が密集しているせいで目視でその距離を判断しづらく、避難を迷っているうちに辻という辻から襲い掛かった津波により犠牲となった方が多くいらしたそうです。

また波がより速く遡上して溢れる川も非常に危険で、避難する際にも川沿いは避けるべきルートです。

普段、海はもとより川などあまり気に留めないかもしれませんが、これを知っておいてその時に行動するだけで生存率は格段に上がります。どうかご自身のみならず、ご家族にも話して意識の共有を図ってください。



・女性ご本人、またお子さん(特に女の子)のいるご家族は、人気のない場所に一人では行かず、夜の行動にも本当に気を付けて。


火事場泥棒という言葉が昔からあるように、未曾有の大災害の中であっても、被害に遭った家に盗みに入ったり、傷付いた弱い立場の人に容赦なく牙を向く極悪人は残念ながらいます。

以前被災地で伺った話によると、避難所という大勢が集まり一見安全そうな場所でも、夜、明かりのない中で若い女性を狙った強姦が何件もあったそうです。


それも寝泊まりしているスペースから強引に連れていかれるケースもあったそうで、悲鳴が聞こえても、相手が凶器を持っている可能性もあり、やっと助かったのに殺されるかもしれない、と周囲も助けに入ることが出来なかったということでした。なぜ、と思ったけれど、これを聞いて確かに自分も命からがら逃げてきて、危険を冒して助けに入ることは容易なことではないと思います。

これを聞いたとき、犯人の信じがたいおぞましい行為に身の毛がよだちました。被害に遭った方の気持ちを思うと言葉になりません。


心の殺人、と言われるように、性被害は体を傷つけられるだけでなく、一生記憶に深く刻み付けられる大きな傷となります。消すことのできない記憶は、生きている限り何度も脳裏に甦り、その度にまた傷付いていくもの。

大きな災害時、物資が不足したり極端に不便な状況が続くと、勿論助け合いにより人の優しさに触れることも多いですが、自分さえ良ければいい人間も一定数存在します。


どうかどうか、自分や家族、愛する人をそういった恐ろしい事件から守れるよう、

・人気のない所や夜間は極力一人で行動しない(させない)

・夜、女性や子供は家族の中心に挟むようにして寝る

等、心掛けてください。



過ぎた悲惨な過去から、私達は学ぶことができます。防ぐことができます。守ることができます。


他人事とスルーせず、この場合、自分はどうするべきだろう…そんな風に自らを省みる機会としても、当ブログを読んでくれた方にこれからも3/11を大切に過ごしてもらえたらな、と思います。