おもちもちもち

娘、おもちとの手さぐり育児記

つむじとうなじと

お座りが一人でうまく出来るようになってから、おもちのうなじを後ろから眺める事が多くなりました。

今日ぼんやりと、その白くて頼りなげな可愛いうなじを眺めながら、ふと、横抱きにして斜めから見ていたつむじも真上から見るようになった事に気が付きました。

おもちが生まれたのは深夜一時。私のお世話になった産院は、産後すぐは母子同室ではなくナースセンターに預けるシステムで、出産当日は休息日となっていた為、初めての授乳は夜が明けて、その次の朝でした。

ふんにゃふにゃの、小さくて訳分からない虫のような動きをする新生児のおもちを胸に抱え、会陰切開の痛みをじわじわと感じつつ、これからの漠然とした不安も感じながら、初めて授乳をした時。

おもちの小さな小さな、私に似ず薄毛の頭にも、立派に綺麗に渦を巻いたつむじがちょこんっとあるのを見て、何となく「あぁ、この子も一人の人間なのか。」と考えていました。

そこから、朝に夕に、春夏秋冬、数えきれないほどの授乳をしてきて、時折何となく、必死に乳に吸い付くおもちの、細く柔らかい頭の毛を掌で撫でては、横向きのつむじを眺めてきました。

それが、この9ヶ月、ずーっと眺めてきたはずなのに、ある日突然、あ、大きくなったんだな。と感じて、少し寂しくなったりしました。

生まれたては産院の新生児室に並んだどの子よりも毛が薄くて、女の子なのにね早く生えないかねー、なんていちさんや親と笑っていたのに、改めてじっと見てみると、申し訳程度にしか存在感の無かった毛根が、大人とさほど変わらないくらいにしっかりとしています。

髪も、まだまだ薄いけれど少しずつ伸びて、早く帰った日はおもちと風呂に入るいちさんとも近ごろ「タオルドライじゃ厳しくなってきたよね!?」と言い合うほどに。

ヘアピンはまだつけられそうにないけど、きっとすぐにまた「あの頃はつけられなかったのに」と感慨深く呟いてるんだろうな。

寝転がっていることしか出来なかったのが、寝返りをうち、首が挙げられなかったのが周りをキョロキョロと眺め始め、後ろしか下がれなかったのが数ミリずつ前進して、気が付けば座っていて、大好きな新聞紙を追い掛けてハイハイを始めて、振り返れば立ち上がってて。

付きっきりで抱っこして、一日「いったいいつまでこれが続くんだろう」と泣きたい気持ちになりながら過ごしていた数か月前。

いつの間にか楽しそうに遊ぶ背中を後ろから眺める事が増えました。
勿論今は今で、後追いがあったり、機嫌が悪くなると離れられない時は多いけれど。

でも、そんなの、あっという間に終わってしまうんだろうな。

かけがえのない、人生においては一瞬の輝かしい日々を、今私は過ごしているんだろうな。

そう思えない、ただひたすら辛く感じてしまう時もやっぱりあるけれど。

でも、いつかこの角度でずっと眺めていたこの子の可愛いつむじやうなじを、懐かしく愛おしく思い出すその日になる前に、おもちを沢山沢山抱き締めておかなきゃなぁ、なんて感じた、今日の夕方でした。

明日もいっぱいチューしたろ。笑
さてさて今日はここまで。おやすみなさい。