おもちもちもち

娘、おもちとの手さぐり育児記

麻疹(はしか)騒動

前回の更新からかなり日が経ってしまいました。
というのも、タイトルのこと…


4月頭。私たち一家は、兄の結婚式のために沖縄にいました。


そして帰宅から数日経った4月中旬、おもちが数日間に渡って鼻水がダラダラなのと微熱が続きました。その頃に初めて、沖縄で麻疹(はしか)が流行っている事を知り、心配になって調べれば調べる程に恐ろしくてたまらなくなりました。



ちなみに麻疹というのは、麻疹ウイルスの空気感染(感染者の咳やくしゃみ等で出たウイルスにより周囲に感染する)により起こる病気です。


症状としては、初めは咳や鼻水、目ヤニ、38度前後の発熱など風邪のような状態が3~4日続きます。


その後、一旦下がりかけた熱が再び上がり40度近い高熱が3~4日続き、顔や全身に発疹(赤いブツブツ)が広がり、徐々に良くなっていくそうです。


それだけならともかく、特におもちのようにワクチン未接種の1歳未満の乳児では重篤化する場合が多く、また合併症により中耳炎や肺炎、脳炎などを起こし、死に至ることもある非常に恐ろしい病気です。昔から「命定め」と言われるほど、致死率の高い病気として恐れられていました。


そしてその時は無事に治ったとしても、何年も経った後に進行性の脳炎を発症する場合もあるそうです。(これを知ってさらに怖くなった。詳しくは"SSPE"で調べてみてください。お子さんがSSPEになってしまったお母さんの書かれた手記もあります。)

しかも、なんと特別な治療法も特効薬もなく、発症した場合は本人の体力次第だそうで、辛い症状を軽減するだけの処置(対症療法)しか行えないそうです。



そしてさらにこの病気の困ったところが、感染力が非常に強く、感染者とすれ違うだけでも感染する恐れがあるほど。普通のマスクでは感染を防げないそうです。


そのため今回の流行により、沖縄県では当初、罹患者の行動歴を公表しており(現在は感染の拡大によりもはや行動歴も載せなくなりましたが…)、私は行動範囲や日にちが被っていないか目を皿にしてチェックしました。


ちなみに私たちはおもちがまだ小さいこともあり、一度ビーチを散歩したくらいで、お式の時以外はほぼホテルの中で過ごし、人混みの中には行っていませんでした。



そのため可能性は低いだろうとは思いつつ、情報を得るほどに万が一を考えると怖くなり、ひとまずかかりつけの病院へ沖縄に渡航した旨を事前に伝えて受診しました。


隔離部屋で診察を受けたのですが、その時点では熱も高くなく、麻疹の特徴的な症状(発疹や、口の中にできるコプリック斑と呼ばれる白い斑点)も見られない為、恐らく普通の風邪だろうということで、風邪薬を服用しての様子見となりました。


念のため、高熱になったときに使う解熱用の坐薬も処方してもらいました。


その後数日間、おもちの体温は37度前半をうろうろしており、あー良かったきっとただの風邪かなーとホッとしていました。


が、最初の微熱から3日ほど経った日の事。お昼寝から起きたおもちがしがみついてきた瞬間、異変に気づきました。



え、めっちゃ熱い。



慌てて耳で測る体温計で測ると、39.1度。
目ん玉飛び出た。


インフルエンザの時もここまで高くならなかったのに、生まれて初めてのガチ高熱。


体温計がおかしいんじゃないかとも考えるけれど、触ってすぐわかるほど、明らかにいつもよりめちゃめちゃ熱いおもちの体。


人から子が熱出したなんて聞いても、あー子供なんて熱出すもんだよねーなんて分かったように言っていた私でしたが、我が子の事となるともうそれはそれは慌てました。


どうしよう、熱すぎて脳とかどっか異常になったりしないかな!?

すぐ病院行かなきゃ手遅れになったりしないかな!?

暖めてあげた方がいいのか、冷やしてあげた方がいいのか…
あわあわあわどうしよう…!!!!


と、脳内大パニックで、「あーおもちーーーーー大丈夫ーーーー!?」とかなんとかわーわー言いながら、何度も熱を測ったりおもちの体を抱き締めたりおでこに手を当ててみたりワタワタ。


ひとまず、38.5度以上になったら使うように言われていた坐薬を入れ、おもちをギューッと抱き締めていました。



幸いにもおもちが熱の割にいつも通り元気だったのでまだこれでも冷静な方でしたが(どこがやねん)、これがぐったりしていたらもう救急車とか呼びかねないくらいには動揺した。


その後坐薬のお陰で一度37度台まで熱は下がりましたが、効果が切れたらしい夜中に再びボンッと熱が上がり再びの39度。


深夜2時に洗面台やキッチンをゾンビのように右往左往しながら濡れタオルと保冷剤を用意して、心なしか呼吸の早いおもちに半泣きになりながら頭や首を冷やし、熟睡しているおもちの寝顔を眺めて治れ治れ治れと念じまくっていました。


翌朝、おもちが起きてすぐに検温。37度台まで下がっていてホッと一安心しましたが、念のためと前日に予約しておいたかかりつけの病院を受診。依然麻疹の可能性は否定できないので念のため再び事前連絡をして、前回同様隔離部屋へ通されました。


しかしやはり今回も発疹も無く、麻疹らしい特徴的な症状もありませんでした。そして血液検査もして頂けたのですが、炎症反応は多少あるものの白血球値が麻疹の場合とは違うということで、やっぱり麻疹ではないんじゃないかなー?と診断され、一応まだ鼻水は出ているし微熱もあるので風邪薬だけ貰って、安静にするように言われ帰宅しました。


そしてその日の夜には平熱まで下がり、良かったねーもう熱上がらなければ明日には久々に保育園行けるね!とおもちとニコニコしていました。



が。

翌朝早く、昨日診察していただいた先生から電話があり、心配になっていろいろ調べたり他の先生から話を聞いたりしたところ、昨日のおもちと同じような白血球値でも病状のタイミングによっては麻疹の可能性が全く無いとは言えないということが分かったから、こちらで手配するから今日大きい病院で詳しく検査してもらってきて!との事でした。


ちなみにおもちはもう元気いっぱいで熱も下がっていましたが、麻疹の可能性がゼロではないことが私たちも気になっていたので、わざわざ手配して頂いてとてもありがたかったです。


そのため、指定された時間に紹介してもらった病院へ向かいました。


そこで問診と視診、のどの粘膜の採取と採血をされ、この時同じく体調不良だった私も念のためということで急遽同じ検査をしてもらいました。


結果がすぐには出ない(院内ではなく、保健所など外部機関での検査となるため)とのことで、この日が金曜だったこともあり、結果は早くてその日の夕方か、もしかしたら月曜日になるから、申し訳ないけどそれまでは外出しないように、そしてもし今後発疹が出たり発熱があったりしたらすぐに連絡するようにと言われました。


救いだったのが、2時間近くかかった検査や診察で空腹と自由に動けないことで怒り出し、鮮魚のようにビチビチ暴れ始めたおもちの元気さを見て、先生たちが「この子は多分大丈夫(笑)」と笑ってくれたこと。


まぁその後すぐ「お母さんの方が怪しいね・・・」のボソッと一言にまた血の気が引きましたが・・・(笑)



そして!

その日の夜、受診した病院から電話があり、神の宣告を待つかのようにドキドキしながら話を聞きました。



結果、麻疹は陰性!!
私もおもちも麻疹ではなく、恐らくただの風邪だろうということでした。


もう、ここまで安心したのはいつぶりかってくらい。


あーーーーーーーーーーーーーー良かった・・・!!!!



ただ、この間にも沖縄県では感染者が70人以上に上り、また沖縄旅行後に埼玉県で発症、東海道新幹線を使って名古屋へ帰省し受診したところ感染確定した、という事例も出ています。


交通の発達した現代では、距離に関わらず病気の流行は早く、気付かないうちにその脅威にさらされているもの。
今回のことで、それを強く実感しました。


名古屋での事例のようにちらほらと、沖縄県外での感染報告も出ているようです。


そしてまもなく迎える旅行者の多いGW、流行がさらに広がるのではないかと懸念されています。



0歳未満の小さなお子さんをお持ちの皆様、今後の動向に十分に注意して、必要であればお子さんの早めのワクチン接種(定期接種は1歳からですが、6カ月以上では自費ではありますが希望者は打ってもらえます)をご検討いただければと思います。


そしてそのお母さんやお父さんご自身!


年代によってはワクチンが未接種だったり、幼少時の1回のみという場合があります。実は大人であっても、抗体が無く初めてかかった場合は重症化しやすく、死亡率も高いそうです。そして妊婦さんは流産や早産、死産のリスクもあります。


自分自身の身を守るのは勿論、感染を広げてしまわないためにも、是非一度ご自身のワクチン接種歴を確認してみて下さい。


ちなみに私は平成2年11月生まれなのですが、私達が高校生くらいの頃に、大学生の間で非常に麻疹が流行った時期があり、その関係で17歳の頃にワクチンの追加接種を受けていました。ただ学校や地域にもよるみたいなので、こればかりは親御さんなどに確認してみてください。




長くなりましたが、最後に。


今回、病院の先生と話していてとても印象深かった言葉があります。


「ワクチンが作られているってことは、それほど恐ろしい病気だということ。そして、それがワクチンで防げるってこと。」


おもちに何かあったらと不安でたまらなかった数日間を思うと、本当にこの言葉に尽きるなぁ、と思いました。
もちろん副反応というリスクはあるけれど、それを踏まえたとしても、ワクチン接種によって防ぐことのできる病気が沢山あります。


今回のような流行が起きた時。もし感染した時。
悲しい結果にならないためにも、お子さんを守るためにどうすべきか、この記事を読んでくださった方が今一度考えていただければ嬉しいです。

そして出来れば、なるべくご家族やお友達にも、麻疹がとても恐ろしい病気であることを伝えてもらえるといいな、と思います。



以上!